ようこそ! Taurusの橋梁点検ノートへ。
今日、7/11(日)は技術士試験です。
わたしが受験した頃は8月の暑い時期でしたので、今はずいぶん早い時期に試験日が設定されていて驚きました。当時と比べて約1カ月近く試験勉強の時間が少なくなっています・・・。
おそらく年が明けてから今日まで仕事をしながらの勉強で、心身共にお疲れだと思いますが、あと一息です。頑張ってください!
さて、学生時代では当たり前の試験でしたが、社会人になってからも超重要なのです。
社会人であれば給与や出世はもちろんのこと、
家族や恋人とのプライベートな時間の確保にも直結する大事なことなのです。
そして、就学中から就職活動を一環として難関試験に挑む学生もいるくらいです。
学校に講師としてお邪魔する事があるのですが、そのとき学生から「就職してからどんな資格が必要ですか?」と聞かれることがあります。
土木の資格がたくさんあって迷うらしいのです。
そして、どの資格が収入や出世に役立つのかということが知りたいようです。
取得する資格によっては転職にかなり有利に働くので、とても大事なことですよね。
わたしは学生時代に就職してからのことなど考えてもいませんでしたが、いまの学生はきちんと人生設計を立てているんだと思うと感心します。
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そこで今日は、
学生や転職希望者を踏まえた、いま土木業界(橋梁メンテナンス業界)でニーズ・将来性の高い資格を5つご紹介したいと思います。わたしが取得した資格が中心になっていますのでご容赦くださいませ。
どれも専門的な資格ですので、未経験者にとっては敷居が高いと感じられるかもしれませんが、あまり難しく考えずに、「へぇー、こういう資格もあるんだ」といった軽い気持ちで読み進めてくださいね。
またそれぞれの資格がもつ役割や強みを知り、就職後にどのような資格を目指していくかなど、あなたに合った転職の目的(志望動機)のイメージを思い描いてみるのもよいでしょう。
【ご注意ください!】 ・受験資格として「一定の実務経験」が必要となります。 ・ 資格の試験制度は、年度により改正される場合があります。 ・新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、試験の中止や延期などの変更がある場合もあります。 ※受験の際には資格の管轄先のウェブサイトを通じて、最新かつ正しい情報を入手しましょう。 |
以下、取得難易度を★印で3段階評価しました。Taurus個人の評価ですのでどうかご容赦を。
目次
◎道路橋点検士:難易度 ★☆☆
道路橋点検士は、一般財団法人橋梁調査会が認定する【民間資格】です。
道路橋点検士は、国(国土交通省)から発注される橋の点検業務を行ったり、国が定めた様式に沿って点検結果を記録したりする役割を担います。
3日間の日程で行われる研修会(講義・現地研修)に参加したのち、最終日の修了試験に合格すると、道路橋点検士の資格が与えられます。
道路橋点検士は、橋のメンテナンスにおける入門的なレベルとして位置づけられているものの、橋の点検業務を担う貴重な即戦力として優遇される資格のひとつとされており、年々人気が高まっています。
あまりの人気に即定員オーバーになるので、応募当日はパソコン前に張り付き必須です!
合格者からのコメント 上司から「橋の点検業務に必要だから」と勧められて、研修会に申し込みました。 修了試験は、過去問などがないので、出題傾向が分からず、とても難しく感じました。 受講前に上司から出題傾向のアドバイスをもらっていたおかげで、何とか合格できましたが、合格通知が届くまではヒヤヒヤ・・・。 研修当日までに、受講経験のある上司や同僚から情報収集しておくと安心ですよ! |
【試験の最新情報はここでチェック!】 一般財団法人 橋梁調査会:道路橋点検士 ※試験制度に関する資料(PDF)が公開されています。 ご希望の資料をダウンロードしてご確認ください。 https://www.jbec.or.jp/society/register/ |
◎コンクリート診断士:難易度 ★★☆
コンクリート診断士は、公益社団法人日本コンクリート工学会が認定する【民間資格】です。
メンテナンスの重要性が叫ばれた初期に創設された資格であり、業界内での知名度も高い資格のひとつでもあります。
コンクリート診断士は、資格の名称のとおり、コンクリートの劣化の原因や程度を判断したり、メンテナンスの方向性を提案したりする役割を担います。
コンクリート診断士という名称ですが、鋼(はがね)を用いた橋の点検・診断にも関わっています。
コンクリート診断士の有資格者は、コンクリートに関する豊富な知識と経験をもつ「コンクリートの専門家」として高く評価され、コンクリートの調査・点検・診断に関わる企業などでは特に重宝されます。
この「コンクリート診断士」より、さらに各分野の専門性に特化した以下の資格も見逃せない資格です!難易度の高い資格ですので、”〇〇診断士系”は自身の就職先や人生プランから選択したほうがよいでしょう。
★コンクリート構造診断士:コンクリート構造診断士–公益社団法人プレストレストコンクリート工学会 (jpci.or.jp)
★鋼構造診断士:一般社団法人日本鋼構造協会 (jssc.or.jp)
合格者からのコメント 「技術士やRCCMよりは簡単だろう」と、軽い気持ちで試験にチャレンジしましたが、単なる知識の詰め込みだけでは歯が立たず、合格までに5年もかかりました。 読みが甘かったです・・・。 資格取得後は、コンクリートの橋の点検や診断などについて相談を受ける機会が増え、技術者としてのやりがいや自信にもつながっています。 |
【試験の最新情報はここでチェック!】 公益社団法人 日本コンクリート工学会:JCI認定資格>コンクリート診断士 ※試験制度に関する資料(PDF)が公開されています。 ご希望の資料をダウンロードしてご確認ください。 https://www.jci-net.or.jp/j/exam/shindan/index.html |
◎RCCM(鋼構造及びコンクリート):★★☆
RCCM(シビルコンサルティングマネージャー/Registered Civil Engineering Consulting Managerの略称)は、一般社団法人建設コンサルタンツ協会が認定する【民間資格】です。
RCCMは、国(国土交通省)から発注される橋のメンテナンス業務において、業務をスムーズに進めるために全体を指揮したり、業務が正しく行われているかチェックしたりするなど、責任のある立場としての役割を担います。
RCCMは、技術士と同じく、高度な専門知識と応用力をもつ技術者に与えられる資格です。RCCMの有資格者は、建設コンサルタント業界における優秀な技術者として高く評価され、採用時にも優遇されます。
試験の難易度は高いですが、技術士と比べると比較的易しいことから、技術士と併せて資格取得を目指す技術者も多いようです。
合格者からのコメント 技術士の資格取得を目指していたのですが、数年経ってもなかなか合格できず悩んでいたところ、上司から「RCCMは技術士と同じく価値のある資格だから、試しに受けてみたら?」と勧められたのがきっかけで受験しました。 試験内容は技術士試験と共通している部分が多く、レベルの高い問題ばかりでしたが、技術士の資格取得に向けて受験勉強を続けていたおかげで、一発合格できました。 資格取得後は、社内のプロジェクトリーダーとして、責任のある立場を任されています。 次なる目標は、技術士試験の合格に向けて、再チャレンジすることです! |
【試験の最新情報はここでチェック!】 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会:RCCM資格情報 試験制度に関する資料(PDF)が公開されています。 ご希望の資料をダウンロードしてご確認ください。 https://www.jcca.or.jp/qualification/rccm/ 一般社団法人 建設コンサルタンツ協会:RCCM資格情報>過去の試験問題 前回の試験問題(PDF)が公開されています(解答もあります)。 ご希望の試験問題をダウンロードしてご確認ください。 https://www.jcca.or.jp/qualification/rccm/past_tests/ |
◎技術士(建設部門):難易度 ★★★
技術士は、技術士法に基づく土木系資格の中でも最難関といわれる【国家資格】です。
土木業界において、技術士は博士号と並ぶ最高位の資格として位置づけられており、土木技術者の誰もが憧れる資格です。
採用時においても、技術士の有資格者はほぼ間違いなく優遇され、収入や役職なども好条件となりやすい傾向があります。
試験の難易度はとても高く、資格取得までに何年もかかるケースがほとんどですが、その分、資格取得によって得られるメリットは絶大です。根気よくチャレンジすべき資格といえるでしょう。
合格者からのコメント 入社して以来、さまざまな資格を取得してきましたが、技術士試験を何年もかけて受験し続けている同僚を見ていて、「自分には無理」と思い、勉強する気にもなれませんでした。 しかし、上司から「技術士の資格がなければ昇進は難しい」と聞いて、一念発起。 それからは、会社の資格取得支援と、家族からの協力を得ながら、仕事の合間や休日を利用して、ひたすら受験勉強に励みました。 合格までには7年もかかりましたが、資格を取得したおかげで、一気に昇進! 合格報奨金20万円と、毎月5万円の資格手当も支給され、収入も大幅にアップしました。 何年かかっても取得すべき価値のある資格だと、日々実感しています。 今年からは、社内の資格取得支援チームのメンバーとして、受験生のサポートにも関わっています。 |
【試験の最新情報はここでチェック!】 公益社団法人 日本技術士会:試験・登録情報 ※試験制度の「最新情報」と「更新情報」が公開されています。 技術士二次試験については、「最新情報」の一覧にある「令和〇年度 技術士第二次試験の実施について」からご確認ください。 https://www.engineer.or.jp/ 公益社団法人 日本技術士会:試験・登録情報>過去問題(技術士第二次試験) 約10年間の過去問題(PDF)が公開されています(解答はありません)。 「建設部門」の過去問題をダウンロードしてご確認ください。 https://www.engineer.or.jp/c_categories/index02022.html |
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未経験者でも異業種からの転職者にお勧めしたい資格はコレ!
資格は、その人の知識や技術力を示す指標のひとつです。
資格を持っているかどうかによって、職場での立場や収入が大きく左右することも決して珍しくありません。
少し大げさに聞こえるかもしれませんが、橋梁メンテナンス業界においても、資格のもつ価値はとても高く、資格なくしてキャリアアップを目指すことはできない、といっても過言ではないでしょう。
先ほどもお話したとおり、専門性の高い資格を取得するには、受験資格として「一定の実務経験」が必要となります。しかし、だからといって「実務経験なんてないし、資格を取るには何年もかかるのか・・・」と嘆くのはまだ早いです!
実は、未経験者でも取得でき、転職やキャリアアップにも役立つ資格が、ひとつだけあります。
その資格とは、「技術士補」です!
◎技術士補(建設部門):難易度 ★★☆
「技術士補」は、技術士第一次試験に合格すると取得できます。
技術士試験には、第一次試験(筆記)と第二次試験(筆記・面接)がありますが、第一次試験は年齢・学歴・実務経験などの制限がなく、どなたでも受験を申し込むことができます。
一次試験の受験科目には、「基礎科目」「適性科目」「専門科目(橋のメンテナンスに関する分野は「建設部門」となります)」の3つがあります。
初めて受験される方にとっては、とても難しく感じられるかもしれませんが、合格率は例年50%前後で、小学生~高校生の合格実績も数多くあります。
あなたの努力次第で、独学でも十分に取得できる資格といえるでしょう。
技術士補は、将来的に技術士を取得することを前提とした資格であり、採用時に優遇されやすい資格でもあります。
早めに受験対策を始めつつ、面接の際に合格への決意を伝えることで、応募先の企業にも好印象を与えられるでしょう。
また、技術士補は、入職後のキャリアアップにもつながる資格ですので、この機会にぜひ、チャレンジしてみましょう!
合格者からのコメント 技術士を目指して第一次試験に挑戦しましたが、初回は不合格。ところが、一緒に初回受験した同僚の女性事務員が先に合格してしまい・・・あの時は悔しい思いをしましたね。女性事務員の方から、効率のよい勉強法や、使用していた参考書などのアドバイスをもらったおかげで、翌年には合格し、技術士補の資格を取ることができました。まだ技術士になったわけではありませんが、社内からは「技術士まであと一歩だ!」という期待の声も。 第二次試験にも合格して、少しでも早く技術士になってみせます! |
【試験の最新情報はここでチェック!】 公益社団法人 日本技術士会:試験・登録情報 試験制度の「最新情報」と「更新情報」が公開されています。 技術士一次試験については、「最新情報」の一覧にある「令和〇年度 技術士第一次試験の実施について」からご確認ください。 https://www.engineer.or.jp/ 公益社団法人 日本技術士会:試験・登録情報>過去問題(技術士第一次試験) 約10年間の過去問題(PDF)が公開されています(解答はありません)。 「専門科目」については、「建設部門」の過去問題をダウンロードしてご確認ください。 https://www.engineer.or.jp/c_categories/index02021.html |
【まとめ】
・転職を成功へと導くためには、より訴求力の高い志望動機を伝えることが大切!
・橋梁メンテナンス業界で求められる資格は、受験の際に「一定の実務経験」が必要 。
・技術士補(技術士第一次試験)は、年齢・学歴・実務経験を問わず、どなたも受験できる。
資格取得はどこの業界でも、いまや個人のスキルを証明する必須事項です。そして資格が難関であるほど、個人のスキルだけではなく、その人の人となりを現す要素になってきています。
受験には多くの努力が必要ですが、人材不足が叫ばれるなか各企業では争うようにして支援体制の整えています。
あとはあなたの意思次第!
試験勉強は孤独になりがちですが、一緒に頑張りましょう。わたしも応援しています!!