ようこそ、Taurus🐂の橋梁点検ノートへ!!
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それでは、今日の公開ノートはこちら↓
※チェ・ゲバラ:キューバ革命を成功に導いた革命家。
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目次
【損傷種類②:亀裂(きれつ)】
今日のノートは「亀裂(きれつ)」です。橋梁点検では見つけるのが難しい損傷の1つではないでしょうか?
専門用語を使わずに亀裂について説明すると、
金属に繰り返し長い時間をかけて力を加えると、小さな力でもひびわれが生じる現象のことです。亀裂が進展して破壊に至ることを金属疲労とも言います。
さて、以前ご紹介した国が出している点検要領には、
このように、とても難しいことが書いてあります。さらに亀裂について専門書で勉強しようすると、さらに難しいことが書いてあり、亀裂と聞くだけで一部の専門家じゃないと手に負えない感じがしてしまいます…
しかし・・・点検技術者たるもの手に負えないとは言えません。
なので、今日は橋梁点検で亀裂を早く多く見つけるためのポイント(秘訣)をご紹介したいと思います。
亀裂には、入りやすい場所や特徴というものがあるので、それが少しでも頭にあれば、いざ現地で点検するときにきっと役立つと思います!
ではさっそく、その秘訣について。
橋の亀裂と聞いてもなかなかイメージが湧きません。こういう時は身のまわりの似たような現象を例にするといいですよ。
例えば、
・お茶碗やタイヤのひびわれ
・家の窓枠のひびわれ
・缶ビールのプルタブ
亀裂の特徴はこの3つの事例が代表的なのです。
<特徴その1.時間の特徴>
「今すぐではないけど、急に」に壊れます。
亀裂が生じている場所にもよりますが、亀裂を発見した当初は長さや幅が小さくても、一気に拡大することがあります。そのため、小さいから安全と判断しないことが重要です。まずは点検で記録し、専門家にすぐ診てもらいましょう!
<特徴その2.形状の特徴>
「形状が突然に変わるところ」に亀裂は生じます。
業界では「断面急変部」と言っています。すこし専門的な話になりますが、構造物の内部では応力という力が働いています。急に構造物の形が変わるとその応力の流れが悪くなるので、そこだけほかと比べて応力が集中するのです。そのため、形状がいきなり変わるところというのは亀裂が生じやすくなります。
「危険な亀裂」と検索すると、国土技術政策研究所HPにある写真がたくさん掲載された資料がヒットしますので参考にしてください。たくさんの事例がありますので少しずつ覚えていきしょう。
<特徴その3.力の特徴>
「大きな力」はいりません。
プルタブの例でもわかるように、それほど大きな力は必要ありません。亀裂が生じる現象とは専門的には金属疲労です。小さな力でも何度も何度も繰り返し力がかかることで、橋のような硬くて丈夫な金属で造られた構造物でも少しずつ亀裂が生じます。
亀裂が生じやすい場所と条件というのにも特徴があって、例えば、先ほどの断面急変部や大型車交通量が多い路線にかかっていることが挙げられます。
ほかにもたくさんありますが、すこしずつ学習していくことが大切です。今回は秘訣ということでご容赦を。
それと、
亀裂に関しては、いままで発生していないかった橋梁でも時間の経過とともに発生するので、点検する時はどこかに亀裂があるかも?!という気持ちで臨むといいと思います。
まだまだ、未知の領域ですので、もしかしたら専門家の先生たちが知らない亀裂があるかもしれませんよ?(という気持ちで私は現場にいきます)
【ノートのまとめ】
・時間、形状、力の特徴を頭にいれて点検すること。
・参考にできる写真や資料は検索するとかなりある(各自治体、道路管理者、研究所)ので調べてみる価値あり。
【次回のノート】
実際の現場では時間がなく、目を凝らして亀裂の発生箇所をよく観察できないかもしれません。そのためにも亀裂が出やすい箇所や理論を事前に学習しておくことは、点検する上でかなり助けになるはずです。
今回のノートでは書けませんでしたが、よく出る亀裂や補修方法については図解説明が一番なので、ホワイトボードを用意しておきます!
次回のノートは、損傷種類の3番目「ゆるみ・脱落」を予定しています。
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