ようこそ、Taurus🐂の橋梁点検ノートへ!!
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それでは、今日の公開ノートはこちら↓
(※少し長くなったので2回に分けました。)
目次
【損傷種類③:ゆるみ・脱落1/2】
今日のノートは「ゆるみ・脱落」です。
点検要領には下図のように記載されています。
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これまでのノートに書いてきた“腐食”や“亀裂”と比べるとなんとも簡単そうに見えます。ただ、これもなかなか奥深いものがありまして。第一印象とは違いますよね。
さて話は戻り、
ゆるみや脱落とは、上図に示されているように“ボルトにゆるみが生じたり・・・”なので、
ボルトがゆるんだり、それが進行して外れている(脱落)状態のことを指します。
『うん、そうだよ。だから簡単でしょ』
ですよね。と返答してしまいそうです。
でも結構、点検ではこの損傷の記録方法を間違ったり、見落としてしまったりすることがあるのです。ホントに。
なので、今日お伝えしたいのはその間違いやすい等に関係した下記3点。
1.一群とは?
2.本当に締めてある?(高力ボルト、排水管、ダブルナット)
3.F11Tの脱落が止まらない。※次回に
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<一群とは?>
まず1つ目ですが、下表の区分c、eや注2に記載されている“一群”ですが、どこまでが一群なのかわかりますか?ちなみに私は分かりませんでした。
簡単そうにさら~っと書いてありますけどね。注意です!
見分ける方法(外観上)は、接合されている鋼板やボルトの構成です。
外観以外では、どのような設計思想で接合されているか?
具体的な例を挙げると、主桁や横構等の添接部は高力ボルトでたくさん接合されていますが・・・
下図をご覧ください。
※今回からホワイトボード登場。テキストだけじゃわかりにくいので(;^_^A
下図に正解を描きましたが、わかりましたか?
間違いやすいですよね~。
このように要領ではわかりにくい表現があるので、点検員さんによってばらつきが出てしまいます。
<本当に締めてある?>
『すこし盛ってない?』というお言葉がありそうですが、本当にあった話です。
なので、点検ではこれからお伝えする視点があると面白いのかな?と。
ハイテンションボルトのナットがゆるんでいた!
最初から大変なニュースですね。
ハイテンションボルト(以下、HT)とは、その名の通り、高い張力をかけて構造物を接合させるための特殊なボルトです。要はものすごく強い力で締めてあります。
強い力で締めるためには、専用のシャーレンチやトルクレンチという大きく重い…機械を使います。
本来はゆるむことなどあり得ません。
それに替わるようなを現場で考えて締め付けたものの、ゆるんでしまったとかしか考えられません・・・
設計者は基本的に壊れるものは設計しません。そのため、設計通りに施工してくれれば問題ないと考えます。
しかし、現場では設計者の想定を上回ることが多いもので、何が起きても不思議ではありません。それはもう想定外の連続のときもあります。
その設計者と施工者の両方の気持ちに理解して点検をしなければならないのが、橋梁点検の難しさであり、面白さでもあり。
他にも、“ゆるむ”はずがないボルトがゆるんでいることは結構あります。
例えばダブルナット等の特殊な方法で締め付けられた照明中等の基部ボルト、ほかには排水桝と排水管の接続部のボルト(2本固定か4本固定)等。
下図は排水桝でよく記録される、接続ボルトの③ゆるみ・脱落です。
ただこれは、ゆるんで脱落したのではなく、初めから挿入されていないことがほとんどなのです。
見分けるポイントは、「排水桝と排水管の孔の位置」です。
横から覗くと、孔の位置がずれていれば、最初から入っていなかったと判断してもいいでしょう。
設計通りに橋の縦横断に合わせて排水桝を固定するのは、結構大変なんですよね。
苦労して据え付けたものの、コンクリートの打設中に踏んだり打設ホースが乗ったりして、少~しでも傾いてしまうと一発アウト。応急処置はするものの、もうほぼ諦めます。排水管のボルトが入ってくれるように神頼みの域です。
点検で見分けるポイントは、「締め付ける空間に余裕があったか」です。
なぜなら、さきほどのシャーレンチって結構大きくて、部材が交差する狭い空間ではかなり締め付け作業で苦労します。ちょっと技術がいりますが、締める順番や専用工具を使ってなんとか現場で締めるんですよね。
すこし余談ですが、こんなふうに設計では想定できなかったことが起きると現場では
職員さん:『これってどう締めるんだよ!お前やってみろ!』と現場で怒号が飛ぶことも( ゚Д゚)
<F11Tの脱落が止まらない ※次回へ>
更新中です・・・
【次回のノート】
このつづきのノートは、これをUP後すぐ公開しますので、少々お待ちくださいませ。引き続き読んでもらえる嬉しいです。また、来週からの点検に役立ててもらえると、もっと嬉しいです。
続編:ノートは「ゆるみ・脱落2/2: F11Tの脱落が止まらない。 」です!
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