ようこそ! Taurus🐂の橋梁点検ノートへ。
このブログが橋梁メンテナンスに携わる皆さまのお力になれたら嬉しいです!
ではさっそく!
といつもように行きたいところなのですが、今回取り上げた「ひびわれ」についての題材は、たくさんあり過ぎて、何から取り上げていいのか散々迷いました。
すこし長くなりそうだったので、複数回にわけての連載です。
まず、第1弾はいつもの点検要領の解釈を主として、それから橋梁点検の現場で役立つ記録等での注意点や評価の仕方、補修方法について連載していこうと思います。
第2弾は次回!
※孫正義:ソフトバンクグループ㈱代表取締役会長兼社長、日本の実業家。
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目次
【点検要領の解釈:ひびわれ】
コンクリート構造物のあるところ、かならずといってもいいほど「ひびわれ」があります。
橋梁点検では、①腐食と⑦剥離・鉄筋露出とならび三大損傷といえるのではないでしょうか?
<点検要領の付録-1>
ひびわれについて、点検要領の付録-1では下図のように解説されています。
“コンクリート部材の表面にひびわれが生じている状態をいう。”
そのままですね💧
乾燥収縮、温度収縮等のひびわれの発生原因については、専門書にお任せするとして、
この何気なく記載されている中点の3つ目が大事なところなんです。
“PC定着部においては当該部位でのみ扱い、当該部位を含む主桁等においては当該部位を除いた要素において評価する。”
わかります?
わたしは苦手なんですよね。”~おいては”とか、”のみ扱い~”とか😅
要はですね、下記の3点を注意して点検してくださいということが記載されています。
1.主桁端部のPC定着部(箱抜き部)でひびわれが生じていても、主桁Mgで記録しないこと。
2.主桁MgとPC定着部Cnは別の部材なので、それぞれで記録すること。
3.そのひびわれが⑱PC定着部の異常として評価できれば、それも併せて記録すること。
主桁を例に挙げます。それが横桁や地覆でも同様です。
<点検要領の付録-2>
点検要領では下図のような記録方法(幅、間隔、構造)となっています。
ひびわれに関しては、幅と間隔の2つの組合せで損傷程度の区分を決めます。
ここでの要点は、<0.2mm>です。
上図の2)損傷の程度にあるように、0.2mmを境に損傷程度の評価が「小・中・大」と変わります。そのため、点検現場では、この0.2mmを正確に判断できることが重要です。
0.2mmを境に損傷程度の区分が大きく変わることに加えて、補修も変わります。
ひびわれ幅のみで補修要否を判断するのは個人的に抵抗があるのですが、現時点での実情として、補修設計や補修現場では0.2mm以上を閾値としてひびわれ補修される場合が多いようです。
橋梁点検では損傷を記録するのが仕事ですが、このような実情もありますので、0.2mm、0.3mmのひびわれを記録しているのではなく、自分が判断したひびわれ幅によって補修要否が決まっていると同じことという認識もあると面白いのではないでしょうか?
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ひびわれを記録するときに特徴的なのが、ひびわれパターン。
それと、
このパターンの記録がしっかりしていると、仮に損傷写真や損傷図でわかりにくいところがあったとしても、健全度評価の判断材料になったり、損傷傾向の分析を行ったりするときに大変役立ちます。
このひびわれパターン、とても大事なんです。
構造体の特徴や環境、幅や位置である程度、その発生原因や健全度が分かってしまいます。
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【次回のノート】
次回、第2弾として、実際に現場でひびわれを測定したり、記録したりするときの注意点について書いていきたいと思います!
■損傷種類⑥-2:ひびわれとは?!
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