ようこそ! Taurus🐂の橋梁点検ノートへ。
このブログが橋梁メンテナンスに携わる皆さまのお力になれたら嬉しいです!
ではさっそく!
※マザー・テレサ:カトリック教会の修道女。「神の愛の宣教者会」の創立者。
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目次
【点検要領の解釈:⑫うき】
「うき」は外観だけではわからないこともある損傷ですよね💧
では、
「どのように点検するの?」というと、
聴診器のような方法もあるのですが、橋梁点検では点検ハンマーという工具をつかいます。
基本は点検ハンマーで構造物を叩き、その打音を耳で聞いて異常の有無を判断しています。
とてもアナログ。
ただ、この打音でこの⑫うきを検出できるようになるには、とても熟練の技が必要なのです。
打音は人間の耳を頼りに判断するのですが、そもそも人間の耳はそんなに音に強くありません。
耳が良い動物というと、犬が思い当たりますよね?
でも、今回はなんといっても「ぞう」に注目しました。
調べてみてわかりましたが、耳だけではなく、ゾウは足もつかって30km以上離れた相手と音(超低周波)を感じて交信しているそうなんです!
ゾウは集団で行動し、家族の幸せの象徴とも言われています。
遠く離れていてもお互いを思いやり、外敵から身を待るためにも音には敏感なのかもしれませんね🐘
今回は点検ハンマーのちょっとした使い方や、うきがあったときの対処方法について書いていきたいと思います!
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<点検要領の付録-1、付録-2>
⑫うきについては、点検要領の付録-1では下図のように解説されています。
うきが生じている箇所は、コンクリート表面やその周辺が浮いていて、ハンマーで叩けば落ちてきそうな状態をイメージしてもらえればいいと思います。
叩くと、低い音(ボクボク、ポコポコなど)がします。これを橋梁点検では“濁音”といっています。
橋梁点検では、基本的にこの濁音がしそうなところを予想してハンマーで叩いていきます。
範囲が広いので全てのコンクリート表面を打音しているわけではありません。
「これ、叩いたら濁音がするだろうな」って感じです。
(※第三者が通る所は全ての範囲を打音検査します。)
そして、濁音がすれば、“損傷程度の区分e”を記録して終了です。
そんなに難しいことはないような今回の⑫うきですが、そんなことはありません!
冒頭でもお伝えしたように、とても熟練のいる作業なんです。
なぜなら、濁音を耳で確認できる範囲というのがとても狭いから。
この図のようにコンクリート表面が浮いていれば、はっきりと濁音がするのでそんなに難しくはありません。
ただ、表面がういていない、コンクリート内部の空隙やうきというのは、例え濁音がしていても人間の耳では認識できないと範囲です。
わたしの経験上、うきを人間の耳で確認できる深さは、50mm程度が限界ではないでしょうか?
(濁音の確認は、舗装や鋼部材(ボルトやUリブ等)でも行うのですが、うまく確認できないことが多々あり・・・)
そこで
今回わたしが現場で気を付けている点検ハンマーの使い方をご紹介します。
少しでも参考になればと。
【うきの検知方法】
<おすすめの検知方法その1>
一番のポイントは、耳に頼らないということです。
うきを確認するのには、聴覚だけを頼りにした打音検査では限界があります。この図に書いたように廻りの状況(小石や砂の跳びはね)や手や足に伝わる振動で補完するといいですよ。
舗装の打ち替え時に床版上面の劣化状況を確認することがあると思いますが、このときにも役に立つと思います。
最近では、舗装打ち替え後に数年たたないうちに再劣化する事例が増えています。
それは床版上面の劣化確認時に濁音がしていても、それを耳で認識できず、劣化部を除去できていないことが大きく影響しています。
<おすすめの検知方法その2>
うきの確認方法では、ほかに”ハンマーで叩いているすぐ近くを手で触れる“というやり方があります。
先ほどの振動をハンマーの持ち手ではなく、もう一方の手で感じる方法です。
こちらで確認されている方と結構遭遇します。
わたしはこれがどうも苦手で。
なぜかというと、手で触れていると対象物への視界が遮られてしまい、周囲の小石の浮きなどが分からなくなるからです。
あとは、触れている手に集中してしまい、どうも肝心のハンマーをもっている手の感覚に集中できなくて…
これはわたしの感想なので、ご自身に合っている方を探してみてくださいね!
【今回のまとめ】
・うきの基本は濁音で確認する。
・うきの検知には、耳以外の振動・周囲の状況で補完する
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【次回のノート】
次回は⑬遊間の異常です!
遊間の異常って桁と胸壁だけではないんですよね。支承、伸縮装置も対象なんです。その辺についても触れながら書いていきたいと思います。おたのしみに~
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