健全性の診断事例

健全度case17:バイクは倒して曲がる。小石や水たまりで大事故に!?

橋梁点検ブロガー【Taurus|トーラス】です🐂

”二ッチではあるけど面白い橋梁点検”

に役立つ情報をこのブログでは発信しています!

このブログの記事が、
橋梁点検、橋梁補修に携わる ”あなたの力” になれたら嬉しいです。

ではさっそく、いってみましょう!

※様々なご意見があると思いますが、どうぞ温かい気持ちでご一読くださいませ。

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目次

【メンテナンスもお客様目線が大事】

雪が解け、季節は春・・・

と、思ったらもう夏ですね。


夏になると多く見かけるようになるのが、オートバイや自転車の姿です。

壮大に広がる青空と大地・・・
季節ごとの景色や匂い・・・
路面から伝わる振動・・・

などなど。

乗る楽しさ、いいところはたくさんありますが、この辺で(´ー`)


なぜ、
こんな話をするかというと今回のブログのテーマに関連しているからなんです。

シーズン到来に伴いライダーが増えますが、事故や車両の損壊も増えます💧


事故や車両の損壊の原因は色々ありますが、

運転者の不注意等ではなく、

補修できたはずの損傷が原因だとしたら?(゜-゜)


『法令に従い点検を行っているのに、事故だなんて・・・』
『損傷評価や設計成果の通りに補修も行っているのに・・・』
『どのくらいのレベルで補修すればいいの?基準はないの?』

事故対応後にこんな声を聴いたことがあります。


点検結果を見返してみると、たしかに事故原因となった損傷が記録されている。

でも、
補修は必要ないと・・・
健全度Ⅰであると・・・


確かにそうなんですが、これはよくある誤解なんです。

その誤解の1つとして、

【損傷の小さい、大きいといった規模で健全度、つまり補修要否を決めているから】

があります。


では、規模ではなく何で決まるのか?

部材の重要性や進行の早さなどもありますが、今回のブログのテーマから言うと…

安全に利用してもらうためには相手の気持ちになって考える。

つまり、
人・車・バイクなどの利用状況を踏まえた、

お客様目線で橋梁点検を行う

という視点が重要になってきます。

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第三者被害は落下物だけにあらず


気持ち?お客様様目線?

と言われてもなんのこと?だとおもいます。

人・車・バイクなどの利用状況を踏まえて橋梁点検を行うためにはどうしたらいいのでしょう?


そこで、
今回のブログはこの2輪車に特化し、

2輪車の安全性を踏まえた健全性の評価

について書いていきます。


今回、
あえてオートバイや自転車(2輪車)を対象にしているのは4輪車に比べて

路面性状の影響を受けやすい

からです。

車(4輪車)では全く影響のない、ちいさな凹凸や小石でも2輪車にとっては命取りなんです。


これまでこのブログでは主に「上からの落下物や飛来物」に対して書いてきました。

第三者被害予防の記事はこちらです。点検の仕方や健全性の評価の参考値を掲載しています。
第三者点検に関する記事一覧 (linxxx.jp)

しかし、
第三者被害は「上」だけ注意していれば防げるわけありませんよね?

「下」にも第三者被害の危険が潜んでいます。


例えば以下のような「下」の損傷状態が該当します。

・滞水
・砂利の散乱
・排水桝目皿の破損
・パッチング舗装の凹凸

どれも補修するような損傷には思えないくらいの小さな規模の損傷です・・・

でもこの小さな損傷が道路管理する上で重要な損傷となることがあるのです( ゚Д゚)

ーーーーーーーーーーーーーーー

【2輪車の特徴】

小さな損傷がどうして第三者被害を与える損傷なのか?

それほど重要な損傷になるとは思えません、よね?

しかし、
2輪車の特徴を知れば納得してもらえると思います( `ー´)ノ


特徴その1:タイヤ幅

4輪車と比べて圧倒的にタイヤの幅が狭いですよね。

サイズは色々ありますが、
自転車で25mm、オートバイで150mmなどであったとします。

このくらいの幅の凹凸があるとタイヤが取られてしまいます💦

そして、

・パッチング補修の段差
・舗装継ぎ目部の劣化(線状の穴)
・路肩にある排水桝目皿の欠損
・わだち

など、見たことありませんか?
これが事故の原因となりなす…



舗装のパッチング補修は特に注意が必要です。
補修するときは少し盛り上げて転圧しますから、凹凸ができやすいですよね?

あとは既存の凹凸を解消するために表面を薄く舗設することがあると思いますが、これがすぐ剝がれてしまい、凹凸がよりひどくなってしまう・・・

良かれと思って行った補修も注意しないと事故を誘発していることがあるのです。


特徴その2:グリップ力

グリップ力とは?

タイヤが路面を掴む力、あるいはタイヤと路面の摩擦力のことです。

このグリップ力の限界値を超えるとタイヤがスリップ(横滑り)してしまいます。

では、
橋梁点検における損傷のうち、どんなときにグリップ力を失ってしまうかというと、

・滞水
・砂、砂利

※マンホールや区画線は損傷ではないので対象外

この2つが代表的でしょうか。


雨が降れば多少なりとも滞水します。

砂だって砂利だって、常に道路を清掃しているわけではありませんから、これも多少なりとも路面に存在するのも仕方ありません。

ただ、
この視点が大切なのです。


例えば滞水。

なぜ滞水しているのでしょうか?
近くの排水桝は詰まっていませんか?
舗装の平坦性は許容値に入っているから全く問題なしでしょうか?

せめて滞水しないように、そして、滞水する場所も輪荷重位置ではないところで、発生しているかどうか確認しておくといいでしょう。


次に砂や砂利。

グリップ力は摩擦力ですから、砂等があればベアリング機能のようなもので、滑りやすくなるのは当たり前です。

これはコーナーリング中は冷や汗ものです💦

特にカーブではこのグリップ力に期待して車体を傾けてコーナーリングしているので、グリップ力を失いタイヤが横滑りしてしまうと事故確定です・・・(>_<)


場所の特徴があって、都市部よりも山間部や田園等で注意が必要です。

清掃頻度、交通量による砂等の堆積、トラクターからの泥、山岳工事でのダンプの土砂などが多く発生しやすく、グリップ力の失いやすい条件が意外にも揃っているのです。

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【さいごに】

今回ご紹介した損傷や条件があったからといって、全て対応しなければならないということではありません。

しかし、
規模の大小ではなく、利用者の立場になって補修する視点が大切だということ。

利用する方々は、あくまでも土木の知識や業界の事情を知らない一般の方々だということ忘れてはなりません。


少しだけ気に掛ける。思いを寄せる。おせっかいをしてみる。

自分にとっても周りにとっても最終的には喜ばしい結果にきっとなるはずですから(´ー`)

次回!!
「健全度case18:その補修。いま本当に必要ですか?」

また来週~

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■お問い合わせについて■

この活動で日々思うのは、

インターネットがこれだけ発達しても自分が本当に必要な情報というのは、なかなか探せないものなんだということ。

専門性の高い分野ともなると、難しい言葉で書かれた論文が多くなり、それが自分の知りたい情報だったのかすらわからなくなるときが多々あります。

私は検索するのが下手なので、知りたい情報まで辿り着くことがなかなかできません💧


橋梁点検で
「こんな損傷があったらどうすれば?」「ほかではどう対応しているの?」「この記事の意味をもう少し知りたい」などがあれば、

どうぞ気軽な気持ちでお声がけくださいね!

ブログへのご意見・ご要望につきましては、下記専用フォーム・TwitterDMからお寄せください(´-`)
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