橋梁点検ブロガー【Taurus|トーラス】です🐂
”二ッチではあるけど面白い橋梁点検”
に役立つ情報をこのブログでは発信しています!
このブログの記事が、
橋梁点検、橋梁補修に携わる ”あなたの力” になれたら嬉しいです。
ではさっそく、いってみましょう!
※様々なご意見があると思いますが、どうぞ温かい気持ちでご一読くださいませ。
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目次
【メンテナンスサイクル】
メンテナンスサイクル。
直訳すると「維持管理循環」です。
メンテナンスを語る際、最近このキーワードが外せなくなってきています。
ただ、
大事なキーワードとなりつつも、それほど目立たないこのキーワード・・・
大事なんだけどよく考えたことがない。
言いたいことはわかるけど、それどころじゃない。
など
へぇ~。メンテナンスサイクルか~(゜-゜)
今の業界の本音ではないでしょうか?
まあ、そうですよね。
崇高な意思、あるべき姿とはなかなか伝わりにくいものです。
なにせ、わかりにくい。
メンテナンスサイクルについて調べても私には少し難しい言葉ばかりです。
わたしも今回の記事に併せて整理してみました。
まずメンテナンスサイクルとは、
適切な維持管理を行うための、以下の4つ業務からなる循環機構(1つの輪)ということです。
「点検」→「診断」→「措置」→「記録」
橋梁点検は5年毎に行いますが、現場で損傷を確認する「点検」だけではありません。
診断したり、
措置したり、
記録(保存)したり、
と色々あり、
現地で点検して「はい、おわり~」というわけにはいかないんですよね💧
これらの業務を橋梁点検では以下のように1番から順番に繰り返します。
1.[点検]橋梁点検を行い、損傷状態を確認する。
2.[診断]損傷状態から、その部材毎と橋毎の健全性の診断を行う。
3.[措置]健全性の診断によって判定した区分(Ⅰ~Ⅳ)から補修箇所を決定する。
4.[措置]補修設計を行う。
5.[措置]補修工事を行う。
6.[記録]上記の1~5の内容をそれぞれ記録しカルテに保存する。
この1番から6番で構成された業務を1つの輪に見立て、循環させる仕組みのことを
メンテナンスサイクル
と呼んでいるのですね。
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【メンテナンスサイクル、くるくる】
つぎに、
このメンテナンスサイクルはどのように運用されているのか?
講演会を聞いたり、業界紙やネットの記事を見たりしていると、
『メンテナンスサイクルを回すことが大事』
というように使われています。
あえて「サイクル(循環)を回すこと」が大事とありますね。
「サイクル(循環)を回す」って、なんですかね?
”循環”の意味は、
”ひと回りして元に戻る。またそれを繰り返すこと”
なので、
「繰り返す」だけではなく、「繰り返すことを回す」ということです。
この章の結論としては、
何回も何回も繰り返してね。1回、2回じゃなく、ずー--っと繰り返してね。
ってことです。
自転車と同じです。
前に進むにはペダルを漕いで、タイヤを回す必要があります。
メンテナンスも前に進むために1回まわして終わりではなく、
「点検」、「診断」、「措置」、「記録」の4つの業務で構成された環(わ)を回し続けることが大事
ということなんでしょうね(´ー`)
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【遥かなるメンテナンスサイクル】
1つ1つが大切な業務であり、それを適切に実行することが基本です。
「点検」「診断」「措置」「記録」
-ーーその通りですよね。
そして、
これらを1つのサイクルとして途切れなく継続的に回していくことが今後もっとも重要になってきます。
ーーーこれもわかります。
さらに、
それぞれの業務を連携・循環させることによって、メンテナンス業務全体の向上を図る。
どんな業務にも通ずる大切な考え方ですよね。
ーーー納得です(゜-゜)
ただ・・・
これまで書いた話は、まだまだ【理想論】にとどまっているという現実があります。
なぜなら、
サイクルを回せるレベルに私たちが到達してしない
からです。
すこし言葉がキツくなってしまいましたが、言うは易く行うは難しなのですね。
かなり高度なレベルです。
そもそも特殊である橋に精通した土木技術者など、そういませんから。
他にもいろいろな問題や課題はありますが、
例えば
「点検」だけが素晴らしい成果を残しても、「診断」で行う健全性の診断が的を射てなければ、「点検」の意味が薄れてしまいます。
同様に、「点検・診断」の目的がわからなければ、「措置」も十分な効果が発揮できません。
このような問題が全国規模で起きてしまっているのです。
結果、
点検したけど健全度が思うように回復しない。
補修箇所や費用だけが膨らんでいく。
それぞれの業務が独立していて、まったくと言っていいほど連携されていないのです。
しかし業界では
『まったなし!
メンテナンスサイクルを確実に回そう!!』
のかけ声だけが遥か彼方で叫ばれているという状況です。
一方、実務者からは、
『そんな良いこと言ってもね。
1つの業務をこなすのに精いっぱいで何が正解なのかわかりませんよ?
一生懸命やっているけどね。サイクル回すよりもこっちの仕事手伝って』
こんな話をよく聞きます・・・
ほんと仰るとおり。
メンテナンスサイクルの実現には、人材不足、費用不足、技術力不足の問題がどうしても立ちふさがってしまうのです・・・
メンテナンスサイクルを回すことができるようになるには、まだ遥か彼方に思えてしまいます。
しかし、
その間にも落橋の危険は身のまわりで急速に進行しているのです・・・
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【機械と人間の共存】
ドローンや画像処理、人工知能による診断など、人材不足に対処するべくハード面で新たなる動きが活発になってきています。
となれば、
ソフト面を忘れてなりません。
ハード面を使える人材育成が最重要となります。
今後、機械化と人口減少が一緒に進めば、簡単な仕事は機械が担当する世の中になるでしょう。
一方、人間は難しい仕事や機械的にできない仕事を担当することになるのはないでしょうか。
そんな人材や知識を多く獲得する手段が必須事項になってしまうのかもしれません。
次回!!
「健全度case22:補修と損傷はいつも隣り合わせ[塗装編]」
※先週予告を順延しました。
また来週~
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■お問い合わせについて■
この活動で日々思うのは、
インターネットがこれだけ発達しても自分が本当に必要な情報というのは、なかなか探せないものなんだということ。
専門性の高い分野ともなると、難しい言葉で書かれた論文が多くなり、それが自分の知りたい情報だったのかすらわからなくなるときが多々あります。
私は検索するのが下手なので、知りたい情報まで辿り着くことがなかなかできません💧
橋梁点検で
「こんな損傷があったらどうすれば?」「ほかではどう対応しているの?」「この記事の意味をもう少し知りたい」などがあれば、
どうぞ気軽な気持ちでお声がけくださいね!
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