橋梁点検ブロガー【Taurus|トーラス】です🐂
”二ッチではあるけど面白い橋梁点検”
に役立つ情報をこのブログでは発信しています!
このブログの記事が、
橋梁点検、橋梁補修に携わる ”あなたの力” になれたら嬉しいです。
ではさっそく、いってみましょう!
※様々なご意見があると思いますが、どうぞ温かい気持ちでご一読くださいませ。
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目次
【xROAD(クロスロード)ってなに?】
BIM/CIM
ドローン
デジタル化
ロボット化
AI(人工知能)・ディープラーニング
--しってますとも(´ー`)
日常の業務で活用している実感はまだありませんが、これらのキーワードだけであれば新しさを感じないくらい世間に浸透してきました。
土木業界のデジタル化もここ数年で急速に変わってきているように感じます。
さらに!!
今日のテーマの根幹ともいえるこのキーワードも目立ち始めてきました。
「xROAD(クロスロード)」
ーーえっくすろーど?(´ー`)
ではありません。クロスロードです。
「X(クロス)」って今、どこでも出てきますね。
そう。
最近よく見聞きする「DX(デジタルトランスフォーメーション)」に関連するキーワードです。
さて、
この「xROAD(クロスロード)」はですね。
道路システムのDXのことなんですね。
--道路の?システムの?DX?(-_-)
なんのことやら・・・ですが、
ポイントは3つ
1.
国土交通省が推進している道路情報のデジタル化のことを →「道路システムのDX」
2.
道路システムのDXとして進めている施策が →「道路データプラットフォーム」
3.
道路データプラットフォームの通称が →「xROAD(クロスロード)」
■xROAD(クロスロード)とは、
デジタル道路地図等を基盤とする各種データを紐付けたこの道路データプラットフォームのことで、国土交通省はこのプラットフォームの構築している最中なんです。
では、
xROADでどんなプラットフォームを構築していこうとしているのか?
プラットフォームというわけですから、
道路情報をデジタル化して、それを1つの場所に集約・運営する場のこと意味しています。
そして、道路情報には以下3つがあって、
・リアルタイムデータ(CCTVカメラなど)
・構造物データ(点検結果など)
・基礎データ(国土地理院地図など)
これまでバラバラに管理されてきたこれらのデータを一元管理して、もっと有効活用していこう!!
というのが、プラットフォーム構築している目的なんですね。
メリットと言えば、
いろいろありますが、やはり省力化・効率化ですよね。
お金もない、人もいない、物もない・・・
と、くればここに行きつきます。
現代社会が抱える問題の解決に向けて、道路情報のデジタル化を徹底的に進めていくことが強く推進されています。
国土交通省資料より抜粋
「限られた体制のもとでも、道路利用者に対して安全・安心な通行を確保するとともに、高度な道路利
用サービスを提供することが必要です。持続可能でスマートな道路システムへの変革に向けて、デジ
タル技術や新技術の導入等による道路管理や行政手続きの省力化・効率化を加速します。」
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【全国道路施設点検データベース】
xROADとは、道路データプラットフォームであるということがわかりました。
では、
このxROADが橋梁点検にどのような関係があるのか?
それは、
全国道路施設点検データベース
と密接に関連しています。
密接と言うかこれは、
xROADの施策の1つで、道路施設の点検結果などを集約したデータベースのことです。
このデータベースは、2022年5月から「全国道路施設点検データベース~ 損傷マップ ~」として橋梁点検で取得された基礎的なデータを無料版として公開しています。
- 位置(緯度・経度)
- 路線名
- 管理者名
- 完成年度
- 点検実施年度
- 判定区分
この無料版はだれでも見ることが可能です。
全国道路施設点検データベース ~ 損傷マップ ~ (mlit.go.jp)
気になる橋やトンネルなどの健全度や措置状況などを簡単操作で確認することができるので、
『あの橋かなり錆びているけど、健全度ってどのくらいなのかな?』
『同じような損傷に見えるけど、この橋とあの橋では健全度が全然違うぞ?』
というように無料版でもだいぶ楽しめます(´ー`)
『全国道路施設点検データベース リーフレット(PDF)』
01_leaflet.pdf (rirs.or.jp)
出典 一般財団法人日本みち研究所HP
そして、
2022年7月12日より、詳細なデータが含まれた有料版の公開が始まりました。
https://road-structures-db.mlit.go.jp/
有料版では、先ほどの無料版(基礎データ)よりも詳細な情報を取得することができます。
- 上下部構造形式/使用材料
- 径間数、支間長
- 適用示方書
- 部材ごとの損傷の有無、種類、程度
有料版の費用については、道路管路者や個人等の利用状況でかわるので確認してみてくださいね。
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【無料版ではどこまで?】
全国道路施設点検データベースの無料版って操作したことありますか?
有料版に比べると得られる情報は少ないですが、今後の活用が強く推進されることは間違いありません。
業界関係者であればとりあえず、「こんな感じなんだ」くらいでいいので覗いてみてはいかがでしょうか?
活用事例として災害対応も考えられますよね。
例えば先日、日本各地で大雨となり橋の周りの盛土が流されたり、橋脚が洗掘し沈下したりしました。
この場合、
どんな橋でどんな点検結果だったのか、気になりますよね?
ということで、
無料版でどこまで確認できるのか試してみました( `ー´)ノ
※北海道のある町の橋のニュースが大きく報じられていたのでこれで試しました。
ログインします。
お目当ての橋の位置にだいたいでいいので地図を移動します。
つぎに「施設区分」を道路橋で選択し、「表示」をクリック。
なにやら、🔵マークがたくさん表示されました。
これが橋の位置です。
色は凡例にあるように健全度を示しています。
さらに、大きく地図を拡大すると橋の名前も出てきます。
黄色の🔵マークをクリックすると、「概要情報」なる画面が表示されます。
今回ニュースで橋脚が沈下した建岩橋ですが、点検は2020年に行っていました。
その点検結果として、健全度Ⅲ(早期措置段階)であることがわかりますが、どんな損傷を理由に健全度Ⅲと評価されたのかは無料版ではわかりません。
措置状況は「見着手」とありますので、措置はこれからだったのでしょう。
ちなみに、GoogleMapで情報補足してみると、
近くに架かる国道277号線の清流建岩橋から側面を確認できました。
ヤフーニュースでは、矢印部の河川中央の橋脚が沈下していました。
橋脚基礎天端が露出してるので河床位置が経年で下がっていたのかもしれませんね。
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【機械的から人間的に】
有料版の実力ですが、公開されたばかりですし、情報もまだ少なく、現時点では活用することによりメリットは少ないかもしれません。
ただ、
今後宝の山といえるくらいの情報量が集まってくるはずです。
この情報をもとに新たなビジネスの展開、メンテナンス業界での人材不足の解消や人材獲得などの効果が期待されます。
膨大な情報を得ることは今の時代は難しいことではありません。
機械的に情報処理する技術がかなり進んでいますから。
これからは機械的に集めたこれらの情報を、有効活用できる人間的な人材の需要が高まるのでしょうね。
次回!!
「橋梁点検13:診断AIは人材不足の救世主?」
また来週~
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■お問い合わせについて■
この活動で日々思うのは、
インターネットがこれだけ発達しても自分が本当に必要な情報というのは、なかなか探せないものなんだということ。
専門性の高い分野ともなると、難しい言葉で書かれた論文が多くなり、それが自分の知りたい情報だったのかすらわからなくなるときが多々あります。
私は検索するのが下手なので、知りたい情報まで辿り着くことがなかなかできません💧
橋梁点検で
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