橋梁点検ブロガー【Taurus|トーラス】です🐂
”二ッチではあるけど面白い橋梁点検”
に役立つ情報をこのブログでは発信しています!
このブログの記事が、
橋梁点検、橋梁補修に携わる ”あなたの力” になれたら嬉しいです。
ではさっそく、いってみましょう!
※様々なご意見があると思いますが、どうぞ温かい気持ちでご一読くださいませ。
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目次
【いまの土木技術者達は何を考えている?】
公益社団法人土木学会は例年9月に「土木学会全国大会」を開催しています。
年1度の大きな大会で、毎年心待ちにしている土木技術者たちも多い大会です。
公益社団法人土木学会のHPです。 教育機関(先生、学生)だけではなく、民間企業や行政機関等の会員も多く、会員数は4万人もいる国内最大級の学会です。 JSCE 公益社団法人 土木学会
この大会では、
いまの土木業界・土木技術者の取組みや進むべき方向性等
を話し合っています。
参加はかなり自由で、学会員じゃなくても参加できます。
一部の講演会等では事前申込みや費用が必要ですが、当日の市民参加もOKです。
ふだんの職場では体感することができない熱気や、異分野の方々とも気軽に意見交換ができる貴重な場です。
さて、
今年の大会の実施期間ですが、
令和4年9月12日(月)~16日(金)の5日間でした。
会場はというと、
毎年全国の支部の持ち回りとなっているので、その年によって会場は変わります。
ちなみに今年は関西支部(京都市)での開催でした。
コロナ禍前までは会場まで足を運ばないと、大会に参加できなかったのですが、この3年間はオンライン(ZOOM)でも参加できるようになりました。
下図は大会専用のアクセスサイトです。
赤枠をクリックすると視聴URLがあるので誰でも参加できます。
土木学会の会員じゃなくても視聴できますし、質問もチャットで簡単にいつでもできるので、かなり便利になりました。
質問したり、会場を抜けたりするのは、会場形式だと勇気がいりますが、オンラインなら簡単です。
心理的なハードルがものすごく低くなりました。
今回の大会で1番印象に残ったのは、
土木外からの参入を推奨したい!
という意見が参加者からたくさんあったことです。
たしかにここ最近は、学会としても広報活動に力を入れ始めていました。
そうですよね。
自分の力だけではなく、協働、共生に活路を見出すのは当然の考えになってきていますよね。
と、いうような将来展望や予測も話し合いながら、参加者同士の交流を深めています。
興味がある方はまず来年の9月に「視聴URL」をポチっとしてみてはいかがでしょうか?
全国大会に参加すると、いまの土木技術者ってこんなこと考えているんだってことがわかります!
ただ、初めは知り合いと来ることをお勧めします。
たくさん視聴・拝聴できるので迷子になってしまいますから(´ー`)
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【どこにいってもインフラ老朽化・デジタル化】
どこの業界も
人材不足、資金不足、生産人口減少・・・
それでも解決しなければならない業界内の問題があるものです。
今回の土木学会全国大会でも、これらの問題に対抗するための施策について多くの発表がありました。
わたしが参加した講演に限ってしまいますが、やはりインフラの老朽化、デジタル化に関する話題が多かったように思います。
インフラの老朽化やデジタル化は、もはや土木業界で最も注目される分野です。
なかば無理やり感を感じてしまうほど、かなり急速な動きです。
おそらく今後5~10年の間で今の働き方ではなくなっているような気がします。10年前にスマホがなかったように、10年後はいま想像できない世界があるはずです。
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【土木内では常識、土木外では非常識】
土木業界で注目のキーワードとなっている「インフラの老朽化」についてですが、これは本当に大きな問題なんです。
実情を知るわたしとしては、かなり危険な状態になってきていると言わざるをえません。
インフラが危ない!
荒廃する日本にならないために!!( ゚Д゚)
と言われて平成26年に法令化されましたが、この現実を一体どれだけの国民が知っているのでしょう?
笹子トンネル天井板の崩落事故を契機に法令化されたのは知っていますか?
土木業界の人であれば知っている方も多いのですが、一般の方々はおそらくほとんど知らないと思います。
わたしもこの活動をしていて異業種の方々とお話する機会があるのですが、
『笹子トンネルの天井板?なんでしょう?事故?』
『インフラの点検が法令化されたんですね。初耳です』
という方が結構いるのです。
初めは、「たまたま知らなかっただけかな?」と思っていましたが、そうではないようです💧
土木の外と内での常識は、かなり大きく乖離しています。
それもそうでしょうね。
自分がいざ体験してみてその苦労がわかるといった原理原則です。
子育てや家事も実際やってみると違うじゃないですか?それと同じです。
ただ!!
業界なりに、技術者なりに、広報活動がんばっているんです。
最近では、土木学会のYouTubeチャンネル「土木学会tv」もあるくらいですから。
・となりの現場めし
・土木学会誌
・ドボクのみかた 等
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【土木外からの参入は可能か?】
よくインフラの老朽化で取り上げられることが多い橋梁ですが、土木インフラは橋梁だけではありません。
トンネル、上下水道、ダム、道路などがあります。
時間の経過とともに、どんなに丈夫な建造物でも形あるものは劣化します。
多くはないものの、
・水道管の老朽化で道路に水が吹き出たり、
・道路に穴があいたり、
・橋のケーブルが切れたり
・コンクリート片や金属片が落ちたり、
など、ニュースで報じられるようになってきました。
すでに荒廃しつつある日本のインフラですが、悲惨な事故とならないためにも力を合わせて問題に立ち向かっていかなければなりません。
最近では、
土木外からの企業参入を促す記事を見かけるようになりました。
以前ブログで紹介した全国道路施設点検DB(橋梁点検12:道路インフラのDX。全国道路施設点検DB有料版公開!! | 【Linxxx公式】現場で役立つ橋梁点検ノート)でも関連する内容が記載されています。
また、
今回の土木学会全国大会でも土木外からの企業連携・協働・参入について意欲的な意見や発表がかなりありました。
国としては、オープンデータ化やプラットフォーム化も進んできていてデジタル化にはかなり力をいれてきているように感じます。
ただ敢えて少し後ろ向きな意見をいうと、
本当に業界は土木外からの参入を期待しているのかな?
ということ。
言い換えれば、
どのような参入を期待しているか?
です。
なぜなら、
業界の発展をなんとかしなくては!と考える一方で、業界内の、組織の利益をまず優先するのが業界人の基本だからです。
その例として、
これまで研究開発されてきたセンシング技術やAI技術の中心となっているは、大手の土木企業です。
そして、その企業を中心とした電子・電機企業などの外部企業が開発を進めてきました。
これらのことを踏まえ、まず先駆者としての利益も確保したいのは常識的な考えです。
※これにはもう少し参加企業の間口を広げた方がよい、という意見もあったそうですが。
話は戻りますが業界の気持ちとしては当然不利益にならないようにしたいはず。
友好的な貿易(提携・協働)はいいけれど、黒船がきてもらっては困る、といったところかもしれませんね。
これはどこの業界にも言えることです。
カメラ業界のライバルはカメラメーカーではあはなく、スマホでした。
ライバルではなさそうなスマホですが、写真撮影から保存、加工、SNSへの投稿までできるシステムをもつスマホという黒船にカメラ業界は押されてしまいました。
自動車も、メーカーではなくテスラ社が席巻していますよね?
黒船の襲来は悪いことばかりではありません。
その逆です。
進化や変化が訪れる時は何かと衝撃があるものですが、いいサービスやモノは受け入れられていくものだと思います。
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【思考よりも行動】
SNSが普及し、いまでは何かを宣伝したい、表現したいといったこともスマホ1台でできるようになりました。
スマホがない時代は、新聞広告をうつしかなかったんですよね。
時代の進歩を感じます。
わたしはこの広く繋がれるようになった時代が今後深さに発展すると予想しています。
ただ、
つながるだけではなく、より信頼のある情報、より信頼のある人といった量から質へと変化していくと。
わたしが運営しているLinxxx(リンクス)Linxxx – 橋梁メンテナンス人材育成プロジェクト│Linxxx(リンクス)も、信頼のおける仲間とのつながりを大切にしていきたいという考えです。
まだ活動といえるものではありませんが、今後とも応援よろしくお願いします!
次回!!
「健全度case21:まちがえやすい床版形式。いろいろあって迷います…」
また来週~
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■お問い合わせについて■
この活動で日々思うのは、
インターネットがこれだけ発達しても自分が本当に必要な情報というのは、なかなか探せないものなんだということ。
専門性の高い分野ともなると、難しい言葉で書かれた論文が多くなり、それが自分の知りたい情報だったのかすらわからなくなるときが多々あります。
私は検索するのが下手なので、知りたい情報まで辿り着くことがなかなかできません💧
知りたい情報はなんなのか?
検索下手なわたしが検索される方の立場で考えてブログを書き続けています。
「こんな損傷があったらどうすれば?」
「ほかではどう対応しているの?」
「この意味をもう少し知りたい」
などの疑問の解決や知りたい情報を提供したい。
そう考えています。
どうぞ気軽な気持ちでお声がけくださいね!
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