橋梁点検人材育成プロジェクト運営人の 神宮 皐(かみや さつき)です。
このプロジェクトでは、橋梁点検や橋梁診断に特化した ”あなた個人” がもつ疑問の解決や相談できるコミュニティの構築に取り組んでいます。
プロジェクトの一環として、わたしの橋梁点検スキルをブログで公開しています。
あなたのスキル向上に役立てられたら幸いです。
※橋梁点検人材育成プロジェクト【Linxxx(リンクス)】を運営(非営利)しています。 ご質問・ご依頼につきましては、こちらからどうぞ(´-`) Linxxx – 橋梁メンテナンス人材育成プロジェクト│Linxxx(リンクス)
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本編では、橋梁点検員になるための”必要資格”から”職務内容”について書いています。
目次
【橋梁点検員になるためには】
転職のため・・・
経営方針のため・・・
新規事業スタートのため・・・
など
いままで橋梁点検とは無縁だった人が様々な理由により、
橋梁点検員
を志す方々が多くなってきています。
では、
「橋梁点検員になる」ためにはどうしたらいいのか?
答えは ”単純” です。
「資格」を取得する。
大事なことは資格を取得すること、あるい取得を目指すことなのです。
いま資格なくても心配いりません。
そして、
いま土木の知識が全くなくても心配いりません。
ただし、
資格の取得にも、これからの点検にも、実務経験は必ず必要なので、まずは橋梁点検に携わる意思と就職することを第一に活動を始めましょう!!
就職については、
橋梁点検に興味があり、建設業界に入りたいという方にいま建設業界は大歓迎の流れです。
資格がない・・・
知識がない・・・
問題ありません。
とにかく取得を目指す意志を採用担当者にアピールしてください。
きっと、受け入れてくれるでしょう。
資格取得と聞いて必要以上に恐れることはありません。
行動あるのみです。
必ず専門職になることができるでしょう。
私もそのサポートをしていますから。
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【橋梁点検員になるためのおススメ資格】
資格を取得する際に注意してほしいことがあります。
それは、
「国土交通省登録技術者資格」
に登録された資格を取得するということです。
国土交通省が橋梁点検の品質確保をふまえた資格として登録されているので、対発注者への品質確保が担保されます。
そして、受注時には加点評価の対象となります。
国土交通省登録技術者資格として登録されている資格はたくさんありますので、以下を参考にご自身の取得する資格を選択してみるとよいでしょう。
★国土交通省HPより
技術調査:公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格について – 国土交通省 (mlit.go.jp)
○公共工事に関する調査及び設計等の品質確保に資する技術者資格登録簿(R4.2.22時点)
建設業界には多種多様なたくさんの資格があります。
ご自身が必要とする仕事や立場に合わせて、数ある資格の中から選択することになります。
難易度や知名度などにかなり幅がありますので注意が必要です。
資格をまだ取得しておらず、橋梁点検を行うにあたりどれを取得してよいのかわからない、という方におすすめの資格があります。
それは、
「道路橋点検士」、「道路橋点検士補」
です。
基礎知識習得のための研修会が充実しており、かつ比較的取得も容易です。
ただし、
この資格には所定の実務経験年数や業務経歴が必要ですので、ご自身の条件と照らし合せて取得可能期間を確認してくださいね。
◎道路橋点検士
道路橋点検士は、一般財団法人橋梁調査会が認定する【民間資格】です。
道路橋点検士は、国(国土交通省)から発注される橋の点検業務を行ったり、国が定めた様式に沿って点検結果を記録したりする役割を担います。
3日間の日程で行われる研修会(講義・現地研修)に参加したのち、最終日の修了試験に合格すると、道路橋点検士の資格が与えられます。
道路橋点検士は、橋のメンテナンスにおける入門的なレベルとして位置づけられているものの、橋の点検業務を担う貴重な即戦力として優遇される資格のひとつとされており、年々人気が高まっています。
あまりの人気に即定員オーバーになるので、応募当日はパソコン前に張り付き必須です!
ちなみに難易度ですが、
資格取得に参加必須となる「研修会」と、取得に向けた「事前準備」をしっかり行えば合格できる資格です。
▼申込みだけでも狭き門!道路橋点検士を取得しよう!! 申込みだけでも狭き門!道路橋点検士を取得しよう!! | 【Linxxx公式】現場で役立つ橋梁点検ノート
試験の合格基準は公表されておりませんが、全問題(点検基礎、記録様式記述等)の7割程度と言われています。
合格者からのコメント 上司から「橋の点検業務に必要だから」と勧められて、研修会に申し込みました。 修了試験は、過去問などがないので、出題傾向が分からず、とても難しく感じました。 受講前に上司から出題傾向のアドバイスをもらっていたおかげで、何とか合格できましたが、合格通知が届くまではヒヤヒヤ・・・。 研修当日までに、受講経験のある上司や同僚から情報収集しておくと安心ですよ! |
【試験の最新情報はここでチェック!】 一般財団法人 橋梁調査会:道路橋点検士 ※試験制度に関する資料(PDF)が公開されています。 ご希望の資料をダウンロードしてご確認ください。 一般財団法人 橋梁調査会|道路橋点検士登録 (jbec.or.jp) https://www.jbec.or.jp/pdf/RoadbridgeinspectorLeaflet.pdf |
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【橋梁点検員の職務内容】
資格を取得すれば、橋梁点検員として活躍できるわけですが、
そもそも
橋梁点検員はどんなことを行うのでしょう?
気になりますよね。
ひと言でいえば、
橋の壊れているところを見つけ、記録する
です。
「点検」ですからね。
難しい言葉ではありません。
車の車検や人間の健康診断と基本は同じです。
橋梁点検員(橋梁診断員)の現地での職務内容は大きく以下3つです。
下記1~3を橋梁毎に行います。
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1.現地で点検(メモやスケッチを描く、写真をとる等)する。
2.点検結果(スケッチやメモのデータ化、写真の保存等)をまとめる。
3.健全性の評価(Ⅰ~Ⅳ)する。※橋梁診断員含む
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基本的にこれが定期点検における橋梁点検員の現地での職務内容です。
”健全性の評価” の結果を踏まえながら、維持管理方針を決めていきます。
発注本数が100橋あれば、100橋分行います。
これに加えて、
発注者・JR・警察等の関係機関との打合せを行う必要があります。
点検作業も、場所によっては交通規制が必要かもしれませんね。
高い場所や水中部など様々な条件のなかに橋は架けられているので、点検業務は想像以上に厳しい職務となります。
◆ここで1つだけ、ややこしいキーワードを・・・
それは「診断」です。
初めてこの言葉を聞く方にとっては、相当ややこしいのですが一応避けては通れないので説明します。
まだ自分には早い、という方は次章に読み飛ばしてくださって結構です。
この「診断」という言葉の意味は、点検結果を踏まえて健全性の評価を行うことを言い、<診断業務>として発注されています。
業界内では「点検」とはわけて用語や目的が使用されるので混同できません。
そして、診断は<診断業務>として発注され、「橋梁点検員」ではなく、「橋梁診断員」が行うことになっています。
主に国土交通省直轄の業務です。
地方自治体の業務では、点検から診断まで一緒に発注されているので、<点検業務>といえば<診断業務>までが含まれています。
ご自身がどの発注者から受注するのかによって、名称が変わることにご注意ください。
少しややこしいですね(^-^;
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【次回は「事前準備」】
次回は、
資格も取得したし、いざ現場へ!!
と行きたいところですが、その前に装備品や収集資料等の「事前準備」についても忘れてはなりません。
以前にも書きましたが、それの補強という感じでしょうか。
お楽しみに~
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橋梁メンテナンス業界は現在、危機的な人材不足、育成不足の問題に直面しています。
これらの問題に業界も力を入れてはいるものの、大局的な施策が多く、個人を育成するような施策には至っておりません。
「こんな損傷があったらどうすれば?」
「ほかではどう対応しているの?」
「この意味をもう少し知りたい」
などの疑問や悩み、これらの解決策に関する情報は業界の盛り上がりをよそに公開されていないのが実情です。
わたしはこの解決策が、
信頼ある仲間とのコミュニティによる個人スキルの向上だと信じています。