OTHER

Linxxx座談会03:点検が義務化された後、業界はどう変わった?

ようこそ! Taurusの橋梁点検ノートへ。
今日は点検義務化のその後について、Linxxxメンバーとの対談形式でお届けします!

仕事はあるのに、人がこないってよほどイメージ悪いんだね。

今日は橋梁点検の義務化について、Linxxxメンバーとの対談形式でお届けします!

Linxxxうさぎ🐰:
前回は橋が老朽化してきたから点検を義務化した、というところまでだったよね?

Taurus🐂:
そうそう。平成26年に点検が義務化されたんだよね。そこで今回は義務化されたその後の業界はどうなったかについて話したいと思ってるんだ。

Linxxxうさぎ🐰:
その後というと、義務化されたってことは点検をみんなやったってことだよね?

Taurus🐂:
そう。それは法律で決められたことだから、今まで橋の点検をやってこなかった地域も点検は一応やったんだ。ただね、この点検は1回やったら終わりじゃなくて、5年毎にやりつづけなけなきゃいけないんだ。これが問題でさ。

Linxxxうさぎ🐰:
どんどん古くなってくるんだから、ずっと点検はやってほしいよ。

Taurus🐂:
たしかに、俺もこの業界に入るまで知らなかった。そもそも古くなっても橋が落ちることはないと思っていた。

Linxxxうさぎ🐰:
それで何が問題なの?

Taurus🐂:
すべての橋を5年毎に1回やることになったわけなんだけど、その数がね、すごいのよ。全国で72万橋もあるってことはこの前話したよね?

Linxxxうさぎ🐰:
うん。聞いた。72万橋でしょ?でも、一般市民がそれを聞いても「へー。そうなんだ。それってすごそうだけど、点検頑張って。」って感じだと思う。

Taurus🐂:
厳しい意見だけどたしかにその通り。安全を守るために点検が絶対やらないといけないんだけど、それには点検できる技術者が必要でしょ?

Linxxxうさぎ🐰:
そりゃそうだよ。点検してくれる人がいないとね。だれがやっているの?

Taurus🐂:
いままでは建設系コンサルタントの技術者がやっていたんだよね。工事をやる人ではなくて、設計とか調査をする人ね。必ずしも限定されたものではないんだけど、誰でもできるわけじゃないから、橋に詳しい専門家というか点検できる知識がないとね。

Linxxxうさぎ🐰:
誰でもできない仕事だし、建設系のコンサルタントの人たちはいっぱい仕事ができていいんじゃないの?

Taurus🐂:
そりぁ、点検できる技術者がたくさんいればね。企業も必要最低限に人材で利益を出さないといけないから、いきなり点検が義務化されてもそんな人材はいないってことさ。現実的には今いる人と点検のことはよくわからないけど、現場で数をこなしながら勉強してるって感じ。

Linxxxうさぎ🐰:
よくわからないで点検ってしていいの?大丈夫?

Taurus🐂:
点検はチームでやるもんだ。1橋だけではなくて、その地域の橋が対象になるからそれなりの数量があるから。たとえ素人でもチーム中で教育を受けながら仕事できるから。

Linxxxうさぎ🐰:
それで安心した。点検のことがわからないのに点検しても意味がないもんね。

Taurus🐂:
ただね・・・。

Linxxxうさぎ🐰:
なに?ただねって?

Taurus🐂:
不安にさせるようだけど、メンテナンスの知識っていうのは、いままで俺たち橋梁技術者が蓄積してきた技術では太刀打ちできないことが多いんだ。だってさ、新しい橋ばかり作っていたから、古くなった橋に対しての知識がない・・・。

Linxxxうさぎ🐰:
そうだけど・・・。どんな職種でも初めは仕方ないこともあるよ。

Taurus🐂:
それはそうなんだけど、橋が崩落したら人命にかかわるじゃない。それほど土木インフラは生活に密着しているものなんだ。普段あまり目立たないけど、責任が大きい仕事なんだよ。

Linxxxうさぎ🐰:
でもTaurusも初めは素人だったじゃない?

Taurus🐂:
おれは運が良かった。おれの師匠と巡り合っていなかったらここまで詳しいことは学べなかったと思う。おれの師匠のような専門的なスキルを持っている人もごくわずかなんだ。二ッチな世界だったから。

Linxxxうさぎ🐰:
運がよくないと学べないくらい二ッチなのね。メンテナンスに限らず、知識の継承は難しいのに更に二ッチとは。

Taurus🐂:
また話がそれっちゃった。それでですね、いま点検業界は点検技術者の育成に力を入れているって状況なんだ。点検の仕事はたくさんあるんだけど、それをやれる人材がいないってこと。素人からでも全然問題ないんだから、おれのまわりでも結構いるし。

Linxxxうさぎ🐰:
素人でもいいんだ。

Taurus🐂:
初めはそんなもんでしょ。ただね。またまた、ただね。こんなに人材不足だ~!とか業界で騒いでいるんだけど、なにせ人が寄り付かない、らしい・・・

Linxxxうさぎ🐰:
仕事はあるのに、人がこないってよほどイメージ悪いんだね。

Taurus🐂:
土木のイメージは悪いね。とにかく土木って何やってるか、業界のおれでも専門が変われば全くわからないし。専門学校いってたときも仕事の内容なんてさっぱり分からなかったよ。

Linxxxうさぎ🐰:
ドラマとか、漫画とかにあまり取り上げられないよね。ドクターとか弁護士なら頻繁にテレビでみるけど。実際はドクターだってきついんだろうけど、イメージがわくしカッコいい!

Taurus🐂:
それなんだよね。そのカッコイイがない。道路で辛そうに仕事しているなって感じしかないんじゃないかな?一般の方々は。

Linxxxうさぎ🐰:
わたしもその1人だった。いかつい顔しているお兄さん達がコンビニで缶コーヒーとカップラーメンを買うという。

Taurus🐂:
イメージって大事だよね。悪いイメージが昔からあるから、例えそうじゃなくてもそう見えてしまうんだよね。3Kなんてよく聞いていたから。キツイ、キタナイ・・・

Linxxxうさぎ🐰:
キツイ、キタナイ、キケンね。

Taurus🐂:
そうキケン。だから土木で働きたい!って言う人も少ないし。どこかでドラマとかに取り上げてもらえればな~。いまのNHKの朝の連続ドラマ「おかえりモネ」だって、弁護士ドラマじゃないのに、あれ見たら、気象予報士とか森林業とかで仕事してみたい!って気になるもの。

Linxxxうさぎ🐰:
どうしてもガテン系のイメージが強いからね。スーツきて、涼しそうな人もいっぱいいるのにね。学校でもクラスの半分が女子なんてこともあるんでしょ?

Taurus🐂:
そう。専門学校もイメージを変えようとしているし、やっぱり不況に強いから親御さんが娘に手に職をってことで専門学校に進学を進めるケースが増えてきているんだ。職場でも女性がかなり増えているんだよ。

Linxxxうさぎ🐰:
あとはドラマだね。

Taurus🐂:
ドラマか、夢がありますね。

Linxxxうさぎ🐰:
では今回はこの辺で。次回は女性メンバーだけで対談してみようかな~。

Linxxx座談会02:橋梁点検は法律で義務化されています?!前のページ

2021.07.10~11/土木業界最高峰の資格「技術士」試験!次のページ

ピックアップ記事

  1. 20%が落ちる技術士口頭試験・・・
  2. プライベート・就職・転職を充実させる土木資格5選!!
  3. 損傷種類⑤:防食機能の劣化とは?!ーそして我々は、飛行機はきっと空を飛ぶと確信し…
  4. 健全度case05:同じ健全度なら、どっちを優先?!
  5. 申込みだけでも狭き門!道路橋点検士を取得しよう!!

関連記事

  1. OTHER

    Linxxx座談会04:「力仕事」は不要!橋梁メンテナンスは女性におすすめ!

    さっそくですが、あなたは「土木のお仕事をしている人」と聞いて、どのよう…

  2. OTHER

    申込みだけでも狭き門!道路橋点検士を取得しよう!!

    年度末の激務を終え、やっと一息(´ー`)も、つかの間・・・新年度となり…

  3. OTHER

    Linxxx座談会05:「土木=男社会」は時代遅れ!? 女性の活躍の場はここにもある!

    座談会シリーズの第4弾となった前回の【「力仕事」は不要!橋のメンテナン…

  4. OTHER

    Linxxx座談会01:危ない!橋って落ちるの?!

    インフラの老朽化について、Linxxxメンバーとの対談形式でお届けしま…

  5. OTHER

    Linxxx座談会08:続「土木=3K」はもう古い!! 現役技術者が語る“ぼくたちの職場のリアル”

    前回UPした記事の続編として、続【現役技術者が語る“ぼくたちの職場のリ…

  6. OTHER

    プライベート・就職・転職を充実させる土木資格5選!!

    試験というと学生時代では当たり前でしたが、社会人になってからも身近な存…

おすすめ記事

最近の記事

  1. 再+劣化事例

    再劣化case10:積雪寒冷地域で起こる支承アンカーボルトの抜け出し
  2. ⑧漏水・遊離石灰

    損傷種類⑧:漏水・遊離石灰とは?!-雨を感じられる人間もいるし、ただ濡れるだけの…
  3. 健全性の診断事例

    健全度case06:その他部材が橋の安定に大きな影響?!
  4. 健全性の診断事例

    健全度case01:橋梁の健全度評価とは?
  5. OTHER

    Linxxx座談会06:女性技術者たちが自ら切り開く“働きやすい職場”への道
PAGE TOP