さっそくですが、あなたは「土木のお仕事をしている人」と聞いて、どのような姿を思い浮かべますか?
「ヘルメットに作業服姿の男性」など、どちらかというと「土木=男社会」というイメージが強いかもしれませんね。
実は、ここ数年では、女性を積極的に採用する風潮が高まり、土木業界で働く女性技術者の割合も増えているんです!
また、テレビやニュースなどで女性技術者の活躍ぶりが話題となったり、「土木女子(ドボジョ)」という愛称で親しまれたり、少女漫画やCMのヒロインとして起用されたり・・・などなど、女性技術者がもつ可能性の広がりに、熱い視線が集まっています。
そこで!
橋梁メンテナンス業界(建設コンサルタント)で働く3名の女性技術者にお集まりいただき、実際のお仕事内容や職場環境などについて、ゆる~く語っていただきました。
今回の記事では、女性目線からみた“橋梁メンテナンス業界で働く魅力“を、彼女たちの生の声とともにお届けいたします。
この記事を読み終わる頃には、あなたもきっと、土木業界へのイメージが180度変わるはず!
【 「ハンマー持って仕事してる」って話したら、「すごいね、筋肉つきそう」って返されたことありますよ 】
Linxxxうさぎ🐇:
さっそくですが、みなさんは橋のメンテナンス(土木)業界にお勤めということなんですけども、普段はどのようなお仕事をされているんですか?
Aさん:
わたしたちは、橋の点検の仕事をしています。
具体的には、チームで実際に橋に行って、ひびや錆(さび)などを見つけて、手書きでスケッチ(記録)したり、カメラで撮影したり・・・ですかね。
Linxxxうさぎ 🐇 :
手書きでスケッチ・・・それってやっぱり、絵を描くのが得意な人に向いているんですかね?
わたしなんて、絵心ゼロで、子どもたちから「画伯(がはく)」って呼ばれてるんですけど・・・(苦笑)
全員:
あっはっは(爆笑)
Aさん:
Linxxxうさぎさん、そんなことはないですよ(笑)
スケッチ(記録)の書き方には、「損傷の種類ごとに、こんな風に書きましょう」っていうルールみたいなものがあるんです。
そのルールをいったん覚えてしまえば、そんなに難しくないですよ!
Linxxxうさぎ 🐇 :
そうなんですか!? ちょっと自信ついたかも(笑)
Cさん:
橋の点検って、橋の上の部分(通行する部分)だけじゃなくて、横の部分や下の部分の確認も必要なんですよね。
なので、橋梁点検車に乗ったり、ドローンを飛ばしたりもしますよ。
Bさん:
繁忙期(年度後半)には、パソコンで書類を作る仕事が増えてくるので、デスクワークも多くなりますよね。
Aさん:
そうだよねー。
発注先との打ち合わせもあるし、会社でのミーティングもあるし、電話とかメールでのやりとりも増えるし・・・
結構バタバタするよねー。
Linxxxうさぎ 🐇 :
へぇー!橋のメンテナンスとひと口に言っても、いろんな業務があるんですね。
ちなみに、重いものを持ったり、運んだり・・・とかもあるんですか?
わたし、絵心だけじゃなくて、体力もゼロなんですけど・・・(苦笑)
Bさん:
橋のメンテナンスって、基本的に力仕事じゃないですからね(笑)
重いものを持ったり、運んだりっていうのは、ほとんどないかなぁ。
Aさん:
そうだよね。何か手に持つとしても、記録用のバインダーとか、カメラとか・・・そんな程度だしね。
Cさん:
橋を点検する時って、よく脚立とか梯子(はしご)を使うんですけど、車から降ろしたり、運んだりするのって、だいたいいつも男の人(男性技術者)が手伝ってくれますしね。
Aさん:
「わたし、持ちますよ!」って言っても、「いいよ、いいよ」ってね。
わたしたちの出番って、ほとんどないよね(笑)
Cさん:
そうですよね。
そういう時は、相手に重いものを持ってもらう代わりに、その人の手荷物も持って移動したりはしますけど・・・
手荷物の重さなんて、たかが知れてますからね(笑)
Linxxxうさぎ 🐇 :
そうなんですか!?
あの・・・この仕事って、わたしでもできますかね?わたしこう見えても、一応女性なんですけど・・・(笑)
Aさん:
もちろん、できますよー! わたしたちも一応女性ですけど、何年もこの仕事やってますし(笑)
Bさん:
この仕事(橋のメンテナンス)をしてる人って、男性の方が圧倒的に多いんですけど、女性にもおすすめだと思いますよ。
ひとつひとつの作業に、丁寧さとか、細やかさとか、周りへの気配りだとか、女性の得意なことを求められることも多いですから。
Cさん:
そうですよねー。わたしも同感です。
Aさん:
でもさ、「橋のメンテナンスってどんな仕事なの?」って聞かれた時に、「土木の仕事だよ」って言うと、かなりの確率で誤解されるよね(苦笑)
Linxxxうさぎ 🐇 :
へぇー!
たとえば、どんな風に・・・ですか?
Aさん:
うーんと・・・
まず間違いなく、「うわぁ・・・」っていう顔されますね(苦笑)
Bさん:
そうそう!
「あれ?わたし今、何か変なこと言いましたっけ?」みたいな(苦笑)
Cさん:
あぁ、わかります!
何かこう、微妙な空気が流れるというか・・・(苦笑)
Aさん:
「スーツ着て仕事してるよ」って言っても、「冗談でしょ?」って(苦笑)
Bさん:
そうそう!
「またまたー」とか、「いいよ、無理しなくて」とか。
いやいや、無理してないし!(苦笑)
Linxxxうさぎ 🐇 :
土木といえば「ヘルメットに作業服」って感じですもんね。
みなさんは普段、スーツを着てお仕事されることもあるんですか?
Bさん:
はい。実際に橋のある場所に行く時には作業服ですけど、それ以外はスーツですね。
っていうか、どちらかというと、スーツを着て仕事する時間の方が多いかも。
Linxxxうさぎ 🐇 :
なるほどー、その日の仕事に合わせて、作業服とスーツを使い分けているんですね!
Bさん:
そうなんです。
でも、やっぱりどうしても、一年中作業服着て、外で力仕事ばっかりしてる、って思われることが、圧倒的に多いですね(苦笑)
Cさん:
そういえば、友だちに「ハンマー持って仕事してる」って話したら、「すごいね、筋肉つきそう」って返されたことありますよ(苦笑)
Aさん:
あーぁ、完全に誤解しちゃってるね、それ(苦笑)
Linxxxうさぎ 🐇 :
ハンマーって、どんな時に使うんですか?
Cさん:
橋を点検する時に、ハンマーで橋の表面を叩いて、その音や響きで、橋の状態をみたりするんです。
あっ!ハンマーと言っても、片手で持てるような、小さいかなづちですよ!
それに、叩くといっても、橋を傷つけないように、軽くこう・・・トントントン・・・って。
Linxxxうさぎ 🐇 :
あぁー、そのお友だちって、でっかいハンマーをガンガン振り下ろして杭(くい)を打つ、みたいなのをイメージしちゃってるんですね!(苦笑)
Cさん:
そうそう!そうみたいです(苦笑)
Bさん:
「橋のメンテナンスって、そういう仕事じゃないから!」って言っても、なかなかわかってもらえないよね(苦笑)
Cさん:
そうなんですよね。きっと、いまいち想像がつかないんでしょうね。
Aさん:
うちのおじいちゃんなんて、
「スコップで穴掘ったりするんだろう?女の子なのに、よくやるなぁ」って。
実家に帰るたびに言われるからさ。
「橋を直すための仕事なのに、穴掘ってどうすんの!」って、毎回つっこんでるよ(笑)
全員:
あっはっは(爆笑)
---------------------------------------
---------------------------------------
【次回予告】
「土木=男社会」は時代遅れ!? 女性の活躍の場はここにもある!
【次々回予告】
女性技術者たちが自ら切り開く“働きやすい職場”への道